⼀般的に、閉経前後5年間を合わせた前後10年間の期間を更年期と呼びます。40歳を過ぎた頃から、男⼥問わずエストロゲンの分泌は不安定になります。特に⼥性の場合、エストロゲンは多くなったり少なくなったりと揺らぎながら減少していきます。※1 この“揺らぎ”によって、ほてりやのぼせ、発汗、不眠など⾝体的・精神的不調が現れますが、この更年期に起こる不調こそが更年期障害と呼ばれています。 実は更年期症状は100種類以上もの症状があると⾔われており、40〜50代⼥性の「2⼈に1⼈」がこの更年期障害に悩んでいます。※2 今回は、「オンライン診療で更年期治療を受けるメリットと安心感」についてご紹介します。
産婦人科医 執筆
長谷川 良実先生
産婦人科専門医師として活躍。医学博士、産婦人科指導医、周産期専門医(母体・胎児)、女性ヘルスケア専門医、女性ヘルスケアアドバイザー等
〈参考文献〉
※1: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30502745/ 、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6581734/
※2: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34278662/
更年期の診断に検査は不要?その理由を解説
更年期障害の主な症状とは
女性ホルモン(エストロゲン)のゆらぎや減少によって、更年期には様々な症状が起こります。 ホットフラッシュやほてりなどの血管運動神経症状のほか、不安やイライラ、抑うつなどの精神症状、動悸、息切れ、めまいなどの自律神経症状のほか、疲労や倦怠感、肩こり、関節痛などがあげられます。
診断は「問診」が中心
ホルモンの変動は、確かに更年期の一因ですが、そのほかにも、加齢や社会的・心理的要因も関連し合っていると考えられています。ほとんどの場合は、問診を行うことで、症状から更年期に差し掛かっているだろうことが判断できます。お話を伺いながら、他の疾患によるものが疑われる場合には、該当する科への受診をおすすめさせていただく場合もございます。
ホルモン検査がマストでない理由
検査結果だけで症状の改善に直結する治療方法を見つけるのは簡単ではありません。治療は、患者さんの症状に合わせて行うことが重要であり、必ずしもホルモンの数値を基にする必要はないのです。
症状が明らかであれば、女性ホルモンの数値が基準値内であっても、ホルモン補充療法(HRT)を行うこともあります。
更年期オンライン診療の利点
オンラインでも安心
更年期診療は問診が主体となり、十分にお話をうかがうことが重要です。オンライン診療では、ビデオ通話や音声通話を通じて医師と患者さんが直接会話をするため、対面診療と変わらない双方向のコミュニケーションが可能です。
プライバシーを守れる安心感
オンライン診療では、自宅などプライバシーが守られる環境で診察を受けることができ、リラックスしてご自身の症状について話しやすくなります。これにより、診察の質も向上します。
継続治療のサポート
診療後に必要なフォローアップもオンラインで行うことができ、次回の受診も対面診療にくらべて簡単です。安心して治療を継続することができます。
診療ハードルの低さ
オンライン診療では、自宅で迅速に更年期障害の診療をうけることができ、医師とのコミュニケーションにおけるハードルが低くなります。さらに病院までの移動や薬局へ薬を取りに行く必要もありません。
更年期オンライン診療で注意すべき点
検査は定期的に
お薬の副作用を確認するためにも定期的に検査を受けることをおすすめします。 特にホルモン補充療法をしている場合には乳がん検診、子宮体がん検診は1年に1回は受けましょう。 そのほか採血の検査も受けましょう。
改善されない場合は、他の病気を疑って!
更年期症状と思っていた症状が他の疾患による症状の可能性があります。 例えば
- 甲状腺機能異常(橋本病):やる気低下、倦怠感、動悸、息切れ、体重増加、便秘
- 膠原病:関節痛、手のこわばり
- 悪性腫瘍:夜の寝汗、体重減少、食欲低下
などがあげられます。 治療を開始したけれども改善されない、悪化している、などあればすぐに相談してください。
オンライン診療?対面診療?迷ったら
他の疾患も考えられる場合に、検査が必要になります。対面診療を受けていただくことをおすすめします。
オンラインと対面のおすすめポイント
オンライン診療
オンライン診療は、以下のような場合に適しています
- 軽度な症状や継続的なフォローアップ:
症状が軽い、または経過観察が必要な場合に便利です。 - 忙しい患者さんや移動が難しい患者さん:
移動時間や交通手段に制約がある方にとって、オンライン診療は非常に便利です。 - プライバシーを重視する場合:
自宅などリラックスした環境で診療を受けたい、または相談しづらい内容がある場合にオンライン診療が適しています。
対面診療
対面診療は、次のようなケースに適しています:
- 複雑な症状や検査が必要な場合:
より詳しい検査(例:血液検査、画像診断)が必要な場合、オフラインでの診療が必要です。 - 身体的な診察が必要な場合:
例えば、触診や視診を行う必要がある場合は、対面での診察が求められます。 - 緊急の症状がある場合:
症状が急激に悪化した場合や、緊急の治療が必要な場合には、オフラインでの即時対応が重要です。
このように、症状の内容や状況に応じて、オンラインと対面を使い分けることも大切です。 更年期診療はホルモン補充療法だけではありません。時には話を聞いてもらうだけでも楽になることもあります。睡眠や食事、運動などの生活習慣も関係しています。
更年期治療を始めたいと思った方は、オンライン診療で簡単相談!
お話を伺い、今何が必要か、何ができるのかを一緒に考え、最適な治療法を見つけて行きたいと思っています。
まとめ
更年期治療に迷う方へ
「こんなことで、受診してもいいのかな」「プライベートなことで恥ずかしい」と症状を我慢されているかたも多く見受けられます。でも迷うならば一度ご相談ください! 更年期という時期をあなたらしく生きるために。症状で悩んでいる時間を、もっと楽しく、もっと自由にすごしていただけるために。あなたに合った治療法を見つけるお手伝いをします!
オンライン診療を試す一歩を踏み出す
オンライン診療が初めてでも心配いりません。簡単な手順で、パソコンやスマートフォンから医師と直接話すことができます。わからないことがあれば事前にサポートを受けることもできます。
自宅でリラックスした状態で、自分のペースで相談できるので、ぜひ気軽に第一歩を踏み出してみてください。
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