一般的に、閉経前後の5年を合わせた10年間の期間を更年期と呼びます。40歳を過ぎた頃から、男女問わずエストロゲンの分泌は不安定になります。女性の場合、エストロゲンは多くなったり少なくなったりと揺らぎながら減少していきます。この“揺らぎ”によって、ほてりやのぼせ、発汗、不眠など身体的・精神的不調が現れますが、この更年期に起こる不調こそが更年期障害と呼ばれています。
実は更年期症状は100種類以上もの症状があると言われており、40〜50代女性の「2人に1人」がこの更年期障害に悩んでいます。
今回は、更年期症状の1つである「ホットフラッシュ」の緩和に効果的な飲み物を5選ご紹介いたします。
日本一炒飯を愛する管理栄養士
インストラクターとして、食事・運動指導実績200名以上行う。炒飯を食べながら自身も-10kgのダイエットに成功。ダイエットサポート・セミナー講師・イベント運営などを行う。 「シューイチ」「スクール革命!」など、TV・雑誌出演多数。 著書『うちで作るチャーハンがウマい!』(池田書店)
ホットフラッシュとは?
ホットフラッシュとは、のぼせ・ほてり・発汗の症状がみられる更年期症状の一つで、3割強の更年期女性が自覚する症状です。
「ホットフラッシュ」の症状は個人差がありますが、以下のような特徴があります。具体的には次のような症状があります。
- 上半身が暑くなり、のぼせたり、ほてったりする
- 急に顔が熱くなる
- 滝のような汗をかいて止まらなくなる
これらの症状が数分〜数十分続くことが多いです。
また更年期における「ほてり」は、顔や首筋、胸の上部など体の特定の部分が突然、ほてったり、発火するような感覚に見舞われる症状です。個人差が大きいですが通常、数分間続くことが多く、その間に強い暑さや発汗を伴うこともあります。
夜間に発生する場合は、寝汗を伴い、睡眠を妨げることも少なくありません。そのため、「のぼせ」や「ほてり」の症状は、社会生活や日常生活に影響を及ぼすことも多く、ストレスや不安を感じる原因になり得るのです。
最近ホットフラッシュで夜もよく眠れず….飲み物で少しは改善出来ることもあるのでしょうか?
ホルモン補充療法(HRT)が最も効果が分かりやすいですが、食事や飲み物など日常生活のケアが更年期症状の緩和につながるとも言われています。今回は、ホットフラッシュの予防効果が期待できる飲み物をご紹介するので、参考にしてくださいね。
ホットフラッシュの原因は?
ホットフラッシュが起こる原因は、卵巣から分泌される女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の分泌量の減少です。エストロゲンは体温を調節する役割を担っており、その量が減ると体温調節機能が乱れ、急なほてりやのぼせを引き起こします。更年期にはエストロゲンの分泌量が特に減少し、ホルモンバランスが大きく崩れるため、多くの女性がホットフラッシュを経験します。また、ストレスや睡眠不足、食生活の偏りなどもホットフラッシュの発生に影響を与えることがあります。これらの要因を理解し、適切な生活習慣の見直しや、必要に応じて医師の助言を求めることが大切です。
ホットフラッシュ緩和におすすめの飲み物3選!
ホットフラッシュの予防策や、発生した時でも症状を軽減するための飲み物の対策について紹介します。 すぐに取り入れることができるものもありますので、是非参考にしてみてください。
カフェインの少ないお茶
カフェインはホットフラッシュを悪化させることがあると言われています。そのため、お茶を飲むときはカフェインが含まれていない麦茶やルイボスティーなどがおすすめです。これらのお茶には抗酸化物質も豊富に含まれており、健康維持も期待できます。
大豆イソフラボンが豊富な飲み物
大豆イソフラボンは、大豆、特に大豆胚芽に多く含まれる複数の化学物質の総称です。女性ホルモン(エストロゲン)と化学構造が似ていることから、植物性エストロゲンとも呼ばれます。更年期にはエストロゲンの分泌が減少するため、大豆イソフラボンがエストロゲンの減少を補うことに役立つのではと言われています。
医師からの一言:ただし大豆食品をとっても更年期症状の改善効果が得られにくい人もいるので、その場合はエクオールをサプリメントで補充するのがおすすめです
以下に大豆イソフラボンを豊富に含む飲み物をご紹介いたします。
①豆乳
大豆イソフラボンを含む代表的な飲み物は豆乳です。豆乳は大豆を水で煮て濾し、その絞り汁を加工したもので、大豆の栄養素をほぼそのまま含んでいます。豆乳は牛乳と比較してもコレステロールが含まれておらず、植物性蛋白質、葉酸や鉄なども豊富に含まれています。
②大豆イソフラボン入りの飲料
市販されている健康飲料の中には、大豆イソフラボンが添加されているものもあります。これらの飲料は、豆乳が苦手な方や、より手軽に大豆イソフラボンを摂取したい方に適しています。ただし、添加されている大豆イソフラボンの量や種類は商品によって異なるため、購入の際は成分表示を確認することが重要です。
③自家製大豆イソフラボン飲料
自宅で手軽に作れる大豆イソフラボン飲料として、大豆の水煮を使ったスムージーやシェイクがあります。これらは新鮮な果物や野菜と組み合わせることで、栄養価の高い健康的な飲み物になります。自家製の飲料であれば、添加物や砂糖の量も調整でき、健康に配慮した飲み物を楽しむことができますね。
ハーブティー
カモミール、セージ、レモンバームなど、リラックス効果のあるハーブティーもホットフラッシュ緩和に効果的です。これらのハーブは、自律神経のバランスを整える効果があり、ホットフラッシュに伴う不快な症状を軽減するとも言われています。
更年期に控えた方がいい飲み物
更年期におけるホットフラッシュの症状を和らげたい場合、特定の飲み物の摂取を控えることも重要なんです。控えるべき飲み物ですが、実はカフェインやアルコール、砂糖の多い飲み物が該当します。嗜好品としてよく飲まれている方も多いのではないでしょうか?
カフェインやアルコール
カフェインやアルコールは、体の中でホルモンバランスに影響を与え、自律神経の働きを刺激します。これにより、ホットフラッシュの原因となる突然の体温の上昇や発汗が引き起こされやすくなると言われています。特に、睡眠前のカフェインやアルコールの摂取は、夜間のホットフラッシュを悪化させ、睡眠の質を低下させる可能性があるため、注意が必要ですよ。
砂糖の多い飲み物
砂糖の多い飲み物は、血糖値の急激な上昇を引き起こすことがあります。これにより、体内のインスリンのバランスが乱れ、ホットフラッシュの頻度や強度を増加させることがあると言われています。また、過剰な糖分摂取は体重増加の原因ともなり、他の生活習慣病を引き起こすことも考えられますので意識して控えるようにしてみましょう。
飲み物以外の効果的なホットフラッシュ対策は?
ここまで、ホットフラッシュ症状を和らげる飲み物を紹介しました!
生活習慣の改善だけでは、なかなか症状が改善しない・・・という方には、ホルモン補充療法(HRT)が推奨されています。
ホルモン補充療法(HRT)とは?
「のぼせ」や「ほてり」に最も効果を示す治療法はホルモン補充療法(Hormone Replacement Therapy、略してHRT)でしょう。HRTは、エストロゲンや黄体ホルモンを補うことで更年期障害の症状を軽減します。「のぼせ」や「ほてり」の軽減に加え、骨粗しょう症のリスクを減らす効果も期待できます。
HRTのメカニズム
更年期には、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少します。HRTでは、エストロゲンや黄体ホルモン(子宮内膜を保護するホルモン)を補充し、ホルモンバランスを整えることで、更年期症状を軽減します。
HRTの種類
HRTには、経口薬、パッチ、ジェルなど複数の形態があります。健康状態や生活スタイルに応じて、最適なタイプを選択しましょう。
注意点
HRTは多くの女性に有効ですが、すべての人に適しているわけではありません。乳がんの既往歴や血栓症のリスクがある方など、HRTの使用が禁忌にあたる方もいらっしゃいます。医師と十分に相談してHRTを開始してください。
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